てなもんや四三式試製飛行機計画要求案摘要

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金日成のパレード/北朝鮮・素顔の人々を見に行ってみた。

ふとこんな記事を発見。

上毛新聞ニュース:【全国ニュース】北朝鮮民衆の素顔を映画化 無名の人々が隠し撮り

  北朝鮮の各地で、無名の住民たちが隠し撮りした闇市場や孤児たち、公開処刑などの映像を構成した記録映画「北朝鮮・素顔の人々」が、15日から東京・渋谷の映画館「シネマヴェーラ渋谷」で初公開される。28日まで。
 企画したアジア映画社(神戸市)によると、韓国の脱北支援者が数人の北朝鮮住民に託したカメラで、2005年前後に撮影された長時間のフィルムを、同社が入手し約30分の作品に編集した。
 列車やトラックで移動し、雑踏で談笑する人々。飢餓状況が生み出したコッチェビ(孤児)たちはグループをつくり、ごみ捨て場で残飯を分け合う。

 

へぇー、と思って調べたら、もう公開終了間際。こら急がないと、ってことで、シネマヴェーラ渋谷に行ってきた。

 


映画 『金日成のパレード』&『北朝鮮・素顔の人々』予告編 - YouTube

 

 

場所は渋谷駅から歩いて10分ほどのところ。東急ジルベスターコンサートでお馴染み、渋谷オーチャードホールの向かいから脇に入ったところにある。渋谷Bunkamuraの世界とは全く異質なラブホ街&ライブ会場群の中に佇む怪しい建物。かろうじてポスターが掲げてあったので、それが映画館だと分かったが、わかりにくくてしゃーない。

 

ポスター。よく見たら俺が思いっきり写り込んでいたので白抜き。

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気になっていた隠し撮り映像(「北朝鮮・素顔の人々」)は賞味たったの30分。そのため、別のドキュメンタリー「金日成のパレード」が前半、というか冒頭1時間半使って上映される。

 

意外に女性客が多い。そして男女問わず皆、単独視聴だったのが印象に残っている。そりゃあ、こんな作品、徒党を組んでワイワイ見にこねーわな。

 

この「金日成のパレード」、欧州取材団が北朝鮮当局の指示に従いつつ作成されたもので、以前から著名な作品だったみたい。DVD化もしているので正直有り難みはない。

メインは金日成将軍様ではなく首領様と言われているのね。観閲パレードでは「キム・イル・ソン・ニム・マンセー!・マンセー!」の大合唱が非常に印象的。ニムは調べてみると「首領」ではなく「様」を指すような気もするのだが・・・。

確かに観閲パレードのインパクト、幼稚園児の洗脳状況、マスゲームの演出、中学生?が授業で機関銃を組み立てるシーンなど、見応えはある。・・・が、テンポが悪い。そりゃ広報的な番組だもん。間延びしているシーンも多く、これを1時間半見させられるのは結構な苦痛だった。

強いて言えば、技術者に技術的指導をして問題を解決したり、子供用絵本を描いたり、映画制作の指導をしたりと多才な首領様、将軍様が笑いどころw

 

 

さて、肝心の「北朝鮮・素顔の人々」。当局の意図しない映像を撮影したものは処刑される中での、市民の姿を隠し撮ったもの。中には公開処刑のシーンなどもある。

ところが冒頭、いきなり都会的な風景が流れる列車の車窓から始まる。テロップには大阪。

ん?

で、大阪の脱北者コミュニティーと合流して、コメントを貰いつつ映像が流れていく形に切り替わった。つまり、オーディオ・コメンタリー形式。これはちょっと想定外。

しかし、この脱北者のコメントに対する編集が酷い。皆好き勝手に発言して煩かったり、そもそも発音が悪く聞き取りづらい。個々にインタビューするやら、文字起こしするやら、発言を後日深堀りしてテロップに記載するだとか、もう少しまともな取材、編集をして欲しかった。

 

登場するシーンは主に闇市場、列車の上等車両、町中(といっても停電で長期停車している列車の乗客が時間つぶしをしている広場が主)、住宅(その乗客が一時休憩させてもらっていた民家)、ストリート・チルドレン、といったところ。

 

もちろん、一番の見所は公開処刑シーン。周辺住民は強制的に召集させられるらしく、スピーカーを取り付けた選挙カーのような安っぽい街宣車アジテーションする北朝鮮人民軍が印象的。2つの場面が紹介されており、いずれも娘を中国に売った、という容疑で銃殺される男性を取り上げていた。

脱北者のコメントでは娘を売った酷いやつ、というわけではなく、娘自ら中国に行きたい、という意向を汲んで、双方合意の元行われるケースが大半なそうな。そして親族を最前列に配置することで見せしめを行う、といった非常に残酷な仕打ちが映像となっていた。

処刑シーンは言うほどグロくはない。遠目に、柱にくくりつけられた男性が、銃声とともに倒れこむような感じ。

 

ラストは物乞いのストリート・チルドレンが、停電で停車中の列車乗客に対し、歌を披露しているシーン。人によってはここで、健気な子どもに感動を覚えただの言っている輩もいるようだが、個人的にはわざわざここを強調して放映することには違和感を覚えた。

期待していたのは淡々と北朝鮮の市民の実態を描いた映像であって、感動めいた演出は必要ない。第一、冷酷なことを言えば、ストリート・チルドレンなんぞアジアのどこにでも存在しているもの。得意げに編集したんだろうなぁと思い浮かんで、逆に不愉快。

第一、肝心の映像も30分しかなく、処刑シーンを除けば夕方のニュースでたまにやるような、北朝鮮の最新映像入手に毛が生えたようなものでしかなかった。子どもの歌うシーンの尺でまだ別のシーンの映像を流してくれたほうが良かった。

 

 最後の恣意的な編集はともかく、前段のパレード映像と後段の現実の対比を見せたかった、という意向はなんとなく感じた。ただ、前段の映像の希少性は無く(DVD化してるし)、30分の映像に1,800円の価値を見いだせるか、と言われると、個人的には微妙と言わざるをえない。

 

 

おまけに渋谷での上映が終わったら、横浜やら大森やらで続々と上映する、って話を聞いて希少性の観点からもガッカリ。まぁ、遠くて行かなかったかもしれないけど。

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