前回の続き
4.すずさんの行路をたどって三ツ蔵へ
さてここからは一つやってみたかったことを。
それは長ノ木から三ツ蔵を通って東泉場の闇市に行き、朝日遊郭に紛れ込んで郵便局まで戻ってくるというもの。
もちろん徒歩で。
要はすずさんの行路をなぞるという趣旨。もちろん空襲で焼けてしまって正確なルートを辿ることはできないんだろうけど、距離感とか当時の移動感覚を掴めればよいなと思っている。
とりあえず三ツ蔵ルートまでのは概ねこんな感じと想定。
ということで、下長ノ木国民学校から坂道を下る。
・・・と、ふと周辺の電柱が気になったので寄ってみた。
なんと、木の電柱!
都内でもまだいくつか見かけることはできるらしいので大して珍しいものでもないらしいのだが、雰囲気的には最高。このあたりから木の電柱がいくらか続いて立っている。
電柱っていつ建てられたものかって調べる術あるのかな。戦後のものではないかとは思うんだが。
あと、付近のバス停の名前も面白い。
鉄管道路。
下記の呉地区の史跡をまとめたサイトによると「二河の浄水場から平原の浄水場へ原水を送るために戦前敷設された大口径の送水管が埋設されているためにこの名前がある」とのこと。東西に横断するようなイメージで敷設されてるのかな?いずれにしても、この界隈は「下手な田舎」とは程遠く、戦前からかなり開発されてきたエリアのようだ。
http://ww4.tiki.ne.jp/~kozaki/jinjabukkaku.html
相変わらずガンガン通る車に気を付けながら下る。
昔ながらの手書き広告。こういうの好き。
交差点を通り過ぎてさらに下る
大通りに出た。
この道は長ノ木トンネルに続いており、更に先に進むと海軍墓地にたどり着くようだ。
通りを横断し、更に進むと、なかなか趣深い建物が並ぶ。
魚屋
アパート
ここから上長ノ木方面を眺めた様子。
朝方の人の量やどれぐらいの坂道なのかはだいぶ雰囲気が付くと思う。登れなくもないが、バス乗って下ってくる方が楽。
広島の地場のスーパー「万惣」(まんそう)まで来る。
はて、この辺に三ツ蔵があるはずなんじゃが・・・
とあたりを見渡すと・・・あっ!
あった!!
ありゃあ、一本隣の道じゃったかね!
さらによく見るとこの交差点の民家にはこの世界の片隅にロケ地MAPが。
ちょっと近づくと、おそらく作中の構図になる。
印象的なシーンとして使われるだけあって、流石に趣深い建物。
看板は文化財全体を説明したもので、意外にもこの三ツ倉については触れられていない。
この蔵の詳細は文化庁の文化遺産オンラインに載っているので、そちらを参照するのがよい。
旧澤原家住宅(広島県呉市長ノ木町) 主屋 文化遺産オンライン
(今知ったんだけどこのサイトすげーな!町散策するときにチェックしておきたい。)
それによると、三ツ蔵は旧澤原家住宅の一つで、江戸時代後期の1809年に建築されたものらしい。ざっくり200年経っている!とはいうものの、蔵なので都度修繕しているとは思われる。
1800年~1810年の時代的なトピックとしては伊能忠敬が蝦夷地を測量したり、間宮林蔵が樺太探検したり、ナポレオンがフランス皇帝になったり、エイブラハム・リンカーンが生まれたり。これもだから何だって話だけど。
旧澤原家は澤田屋の屋号で庄屋(村政を務めた首長)を務めたとある。・・・が、看板を見ると割庄屋(複数の村の庄屋をさらに束ねる上位階級)とも記載がある。安芸郡長や貴族院議員、呉市長も務めた地元を代表する名家、ということなんだろう。
建築的にも見どころがあるらしい(よくわからんが他所ではあんまり見られない構造なんだとか)ので、建築物ヲタの方にもおススメ(適当)。
尊王討幕派で吉田松陰にも影響を与えたとされる(らしい)宇都宮黙霖も、晩年を澤原家で過ごしたとのことで終焉の地という碑と案内も立っている。
裏手に回ると澤原家住宅の主家や本蔵などが。奥の道が先ほどの三ツ蔵。
ここを眺めていたらすずさんが通る姿も見れたかもしれない。
あれ?
三ツ倉の前を通るということは、途中で左に曲がってたのかな??
まぁー、ちゃんと調べた訳でもないし、そもそも最初の方のルート自体あってんのか、ってことで、(雑に)途中の長ノ木トンネル前からやり直すことにした。
あっ猫!(関係ない)
長ノ木トンネルから呉方面に向かう水道を発見。こういうの風情ある。晴れてたらもっと綺麗だったかな。
ここを右折。
すぐ角で燕が巣を作っていた。流石に暗いし早すぎるしで撮れない・・・
ずんずん。
おっと、面白い建築物を発見。古い建物と石造りの入口・ベランダが一体化した構造。
流石に違うと思うが、なんとなく、アレな建物のような印象を受ける・・・
で、更に進むとT字路にぶつかる。
あっ道を間違えた。。。
再び戻る。
トンネル手前のこちらの道でした。
古い道のようで、ウネウネ。
さらに下る。
おお、またあのレンガ作りの塀が。
これ何なんだろうなあ・・・。
脇は興味深い坂道。この先には長ノ木集会所があるらしい。
上の方にもレンガ造りを確認。
そして三ツ蔵に再開。
つづく