AIによる記事自動生成ブログ四三式

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新電力に踊らされる(ソフトバンクでんき解約)

2022年4月末にソフトバンクでんきに加入したばかりなのだが、恐ろしいレターが届く。

ソフトバンクでんき でんき代の燃料費調整額 変更のご案内 | でんき | ソフトバンク

燃料費調整額の「上限撤廃」ということだそうだ。

今まで、燃料費調整額なんてあまり意識してなかったんだけど、「上限撤廃」と言われると以前の市場連動型プランが畜生料金になって崩壊したことを思い出して怖すぎる。

そもそもエルピオでんきで引っ掻き回された直後なので勘弁して欲しい。

エルピオでんきの事案

電力小売り事業からの撤退についてのお知らせ - 株式会社エルピオ

初めて契約した新電力でもあり、お値段も最安レベルで良い評価だった…のだが。3/28に突如通知があり、4/30付でサービス廃止という無茶苦茶なスケジュールを突きつけられた(実際には5/末まで延長されたらしい)。普段チェックしていなかったのだが、Webでの料金ポータルサイトの更新に失敗していたらしく、過去履歴が消失とかいう事案まで起きていたそうで。

この辺りから、市場連動型プランが主でない新電力も撤退が増えているという話を耳にするようになる。

ドタバタになりながらも、乗り換えとして、売出し中だったソフトバンクでんきに切り替え。エルピオでんきよりは割高だけど、天下の孫正義だしエルピオでんきみたいな杜撰なことはやらないだろう、とは思っていた。

今回のソフトバンクでんきの事案

冒頭述べたように、「燃料コスト増大に伴う燃料費調整額の上限撤廃」という話なのだが、ポイントは3つある。燃料費調整額とは。上限撤廃の実リスクは。そしてサービス改定までの期間。

燃料費調整額とは

電力料金は、一般的に、

基本料金+階段制の電力量料金+燃料費調整額+再エネ発電賦課金

という料金体系になっている。新電力も地域電力(東電とか中部電力とか)の料金体系に倣っている様子。

燃料費調整額はその名の通り、仕入れの燃料費用を料金に転嫁するための仕組み

導入の歴史と背景

燃料費調整額は1996年に導入されたそう。なんだかんだ20年以上運用されているのね。燃料費調整額を解説しているサイトではあまり触れられていないようだが、背景としてはオイルショック後の「暫定値下げ」を繰り返していた時期があり、よりリアルタイムに近い形で料金反映できるように、ということで整備された制度なそうだ。

どのような背景で燃料費調整制度ができたのですか? – 東京電力エナジーパートナー株式会社

当時は「値下げ」情勢だったという点が興味深いが、この時点で「値上げ」も視野に入れた仕組みにしていたのはよく出来ているというかなんというか。結果、約10年後の2008年の原油価格高騰時にも作用したらしい。

2022年現在、「燃料費調整単価」と呼ばれるものに使用電力(kWh)を乗算することで算出する形になっている。色々と見る限り、新電力も地域電力の算出値をそのまま使用しているっぽい(すなわち、新電力は燃料費調整額で利益を上げようとしている訳でもないということ)

燃料費調整単価の算定方法

以下は東電のケース。地域電力によってルールが微妙に異なるらしいので注意。

約款を見ろという話だが、概要に関しては東京電力EPのサイトが詳しい。

燃料費調整制度とは(高圧・特別高圧)│法人のお客さま│東京電力エナジーパートナー

基準額とされている「44,200円」という金額がミソ。平均燃料価格がこれを上回ると燃料費調整額が上がる。逆に下回ると割引になる、という形。計算はシンプルで、この平均燃料価格と44,200円の差額に「一定の基準単価」(を1000で割ったもの)を乗算して算出する。

乗算される「一定の基準単価」であるが、東電(一般利用)の場合であれば、電気需給約款[低圧]にある「別表2 (2)基準単価」に記載されている。

約款について|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社

2022年10月時点で「23銭2厘/kWh」となっている。

まとめると、計算式は以下の通り。

燃料費調整単価 = 平均燃料価格と44,200円の差額 × 基準単価 / 1000

燃料費調整額 = 使用電力(kWh) × 燃料費調整単価

例えば、2022年9月の燃料費調整単価は「6.50円/kWh」となっている。また、下の方にある「2022年4月~2022年6月平均の貿易統計価格」を見ると、関東(低圧)の平均燃料価格は「72,200円/kl」とされている。

https://www.tepco.co.jp/ep/private/fuelcost2/backnumber/2209.html

基準単価は「23銭2厘/kWh(=0.232円/kWh)」なので、これを計算すると、

(72200 - 44,200) 円/kl × 0.232円/kWh / 1000 = 28000 × 0.232 / 1000 = 6.496円/kWh ≒ 6.50円/kWh

ということになる。

上限撤廃の実リスクは

結局の所、料金の変動はこの燃料費調整単価次第ということ。

冬場だとして、仮に300kWh/月使用する家庭だったとする。

すると、燃料費調整単価が1円上がると300円が料金に上増しされることになる。3円上がると900円。

で、執筆時点で東電は2022年11月までの燃料費調整単価を公開している訳だけど、それが「9.72円/kWh」。9月時点から3.22円も上がってる。。。

チェックしておきたいのが、燃料費調整単価の推移。

https://www.tepco.co.jp/ep/private/fuelcost2/pdf/list_202211.pdf

見てもらえば分かる通り、2021年1月から2022年11月にかけて常に上がりっぱなし。2年間で14.92円(=4476円/月)も!

今後の燃料費の相場次第ってのもあるし、ちょっと暴力的ではあるが、今後、毎月1円上昇して、12月は11円、来年1月は12円、2月は13円…と仮定してみる。すると、10月~3月までで、月平均3,390円の燃料調整費が発生することになる(11月までは実値で試算)。

そもそも上限とは?

ところで撤廃される「上限」とはなんだろう?上限撤廃!?怖っ!・・・って思ったりしたけど、そもそもそれをちゃんと理解していない。

ソフトバンクでんきのお知らせ(ペーパー)を見ると、上限撤廃すると2022年9月の燃料費調整単価(東電エリア)が「5.13円/kWh」→「6.50円/kWh」になる、と記載されている。HP上では既に10月の情報になっていて、「5.13円/kWh」→「8.07円/kWh」となっていた。「5.13円/kWh」が上限の金額なんだろうが、これは一体?

答えから言ってしまえば、これは地域電力では以前、「算定に用いる平均燃料価格に上限額が設定」されており、それによって算出された調整単価、である。

例えば東電だと「従量電灯B」(既にこのプランは申し込み方法が制限されている)に定めがあり、約款「別表2.(1).ロ.燃料費調整単価の(ハ)」に以下の記載がある。

1キロリットル当たりの平均燃料価格が66,300円を上回る場合平均燃料価格は、66,300円といたします。

特定小売供給約款│約款関係│東京電力エナジーパートナー

当然、この66,300円で計算すれば、5.13円/kWhという燃料費調整単価が算出できる。東電の「燃料費調整のお知らせ」にある「特定小売供給約款の適用を受ける場合※1」というのがまさにコレ。

新電力もこの古いルールに則って料金設定をしていたのだろう。変更したのは仕入元の東電から契約を変更させられたからなのか。元々そういう契約だったのか。どちらにしても、東電の設定している金額と同じなので、冒頭述べたように、新電力は燃料費調整額はスルーパスで転嫁しているのだと思われる。

ちなみに、このあたりはソフトバンクでんきの約款からは読み解けなかった。「附表の~」みたいな表現があったりするが、その附表が見当たらなかったり。そういうところが新興企業のノリというか、民間企業の悪いところに思えて、イラッとする。

上限撤廃の実際の影響

約款策定時に想定していた「燃料費の上限金額」を余裕で突破していることを考えると、現状の燃料高はやっぱり尋常ではない事態。まあそれはともかく…。

上限撤廃されると燃料調整額は1,538円(300kWh使用時)で済まなくなる。前述した試算を前提にすると、月平均で1900円近く出費が増えてしまう。6ヶ月で11,400円の出費が増える、というのが分かりやすい影響ってことになるんだろう。新電力の安い料金体系で得られるメリット次第ではあるが、一般的には燃料調整額が与えるインパクトの方がデカイのでは。まあ、仮定ケースでの試算なので、これよりも金額は小さくなるかもしれないけど。

ちなみに、東電の従量電灯Bは既に申し込み方法が制限されているのは前述のとおりだが、その他地域電力も含めて、一般的に申し込めるプランは全て上限が撤廃されてしまっているらしい。つまり、新電力だけの話ではないってこと。

さよならソフトバンクでんき

ぶっちゃけ燃料費がどこまで上がっていくのか、従量電灯Bの上限もそのうち撤廃されそうな気もするけど、これから冬を迎える中で簡単に燃料費が安定するとも思えないし、一旦従量電灯Bに乗り換えることにした。

決め手については、どちらかというと、2ヶ月後に上限金額を撤廃します、みたいな契約変更の横暴さだなあ。やっぱり孫正義だった。

燃料高が理由だし地域電力も同じことやってるので新電力側としてはやむなしってのは分かる。新電力業界全体で軒並み上限金額を撤廃している動きを取っているらしいし、告知のやり方も他業者が取っているやり方に倣ったものなんだろうけど。流石に2ヶ月でどうにかしろというのは、ねえ。こういうことをやられると新興サービスそのものに不安を感じてしまう。エルピオでんきだけでなく、ソフトバンクでんき、おまえもか!って感じ。

悩ましかったのは1年契約すると合計15,000円のキャッシュバックを得られるプランだったこと。場合によっては燃料調整額を回収できる金額かもしれないんでこの冬乗り切れる資金になるかもしれないんだけど、それってキャッシュバック自体が有名無実になっちゃうんだよな。長い目で見たらどう転ぶか分からない(従量電灯Bの受付停止される可能性もあるし)ので、やむなくキャッシュバック権を放棄して切り替え。

しかしまあ、加入半年もせずにこういう状況になるとは思わなかった。なんならエルピオでんきの事案も今春だしな。生活インフラでドタバタさせられるのは勘弁して欲しい。

結局の所インフラ民営化って

矢面に立ってる新電力以前にプーチンくたばれ!って話ではあるが、燃料高の原因はそれだけでなく、電力自由化のアオリを受けた発電所の集約・閉鎖ってのも一因なんだよな。そう考えると、インフラの民営化ってやっぱろくでもねえな~って思っちゃったりするのよね(JPを思い出しながら)。インフラ民営化は異常事態が起きたときに脆すぎる。結果的に、電力自由化で生まれた新電力もかなり淘汰されそうだし。

そういう状況を他所に、電力自由化の旗頭になった安倍晋三国葬で英雄として祀り上げられてるってのはなんかモヤる(まあ郵政民営化後に隠居風情カマしてる小泉純一郎の方がタチ悪いが)。ありがとう安倍晋三じゃねえよな。安倍ちゃん、生き返ってこの電力問題どうにかしろよ。