HHKB Lite2を使って15年経つ。(多分。大昔のmixi日記を漁ったら2006年2月にオウルテックの鉄板キーボード(OWL-KB89PSU)が壊れたという日記を書いていたので)
既に販売終了しているものの、煩いカチャカチャ音(割と隣の部屋まで響く)を除けば打鍵具合は流石のHHKB。上位機種と比べて圧倒的な安さ、USBハブ機能もあって、有線接続であることを除けばコスパ最強機種だと思う。
このHHKB、ここ数ヶ月で一部キーの押し具合が固くなり、打鍵時に違和感を感じる上に、文字入力にしくじるケースが出るようになった。逆に言えば15年間不都合なく使えていたのだからめちゃめちゃしっかりしているキーボードだなあという感想ではあるのだが。
いよいよ無線キーボード導入か~と思って調べるが、高価格帯か低価格帯の両極端しかない。昔ほどレビューの信頼性が高くない上に、低価格帯になると用途がスマホとかiPadとかでレビューしている人間も多く、嫌な予感しかしない。恐らく打鍵具合で言えば今のHHKB Lite2の方が上だろうし、無線も下手すると遅延に悩ませられるかもしれない。安物買いの銭失いになっちゃうとねえ・・・ということで数ヶ月違和感ある状態で使い続けていた。
なんとかならんかな、と思ってHHKBの修理について調べてみたら、なんとキートップにグリスを塗布して静音化を図る手法が確立しているではないか。グリスの本来の用途は摩擦係数を減らすことにあるのだから、これはやって見る価値がある。
それにしても高級キーボードなんて15年前はプログラミング界隈向けが主戦場(ネトゲのチャット用途で使ってる人もいたが)だったのに、今やゲーム用途が主戦場でカスタムとかも当たり前のメジャーな分野だもんなあ。その恩恵に預かれるのはありがたいこと。
購入品
早速購入したのが、タミヤのセラグリスHG。「セラミックグリス」という扱いになるらしい。
ヨドバシ.comで税込・送料込で396円。最寄りのヨドバシへの往復の電車賃より安いよ(定期あるけど)。この辺も15年前には考えられなかったよなあ(秋葉原がここまで凋落するというのも)。
キーボードの清掃
まずはキーボードの清掃。なんぼかやっているが、改めて自分の備忘録としてまとめておく。
- キートップを引き抜く。
自分が使ってるのは「ARCHISS キートップ引き抜き工具 Ergo Grip Keycap Remover AS-KREGP01」。購入当時は467円(現在462円)
風呂桶にお湯を張り、キートップを投入。かき混ぜてから5分ほど漬ける(水道のお湯でOK。沸かす必要なし)
湯を捨てて、食器用洗剤を投入。再びお湯を投入し、かき混ぜて10分ほど漬ける。
お湯ですすぎ流し、洗濯ネットに投入。
洗濯ネットごと外干し。洗濯ネットを広げるように干して、キートップもなるべく広げる。
乾燥した11月の午後に6時間ほど干したら綺麗に乾いてた。
キーボード本体側は水分汚れとかがあればアルコールシートや綿棒で拭いたほうが良いだろうが、今回はホコリ汚れぐらいだったのでブラシノズルをつけた掃除機で吸うだけで処置。十分キレイになった。
キートップは以前常時換気の浴室干しでやったときは殆ど乾かなかったので、やっぱり屋外干しが良いみたい。夏場はどんなもんだろうか。
グリスを塗る
グリスを塗料皿に出し、キートップ側の軸部分に綿棒で塗る。差し込んだときに四角い軸受穴と接する面といえばわかりやすいか。たっぷり塗るというレビューもあったが、よくわからんし薄すぎず溢れすぎずという具合に留めておいた。
塗ったら差し込み、グリスを馴染ませるために50回ほど連打。普段押さないキーがある以上、このタイミングで連打するのが必須なんだろう。金属フック付きのEnterキーやスペースキーなどは一応、金属フックの軸に接する部分もグリスを塗っておいた。必要性はわからん。
結果
あっ、すっげえ!本当に打鍵音が静かになってる!!
HHKB Proって偽の商品名貼って、無施工のHHKB Lite2と店頭に並べておいておいたら「なるほど・・・これが価格差か・・・」って納得しちゃうレベル。
そして本来の目的だった打鍵時の引っ掛かりも解消。素晴らしい。
後はこのグリス塗布効果がどこまで持続するか?次第。そこまでレビューしてるところは殆どないようで実績不明なのだが、半年~1年持ってくれたら上々だろう。セラグリスHGは半分ぐらい使用した感じだったので、半年~1年持ってくれたら年間200円~400円ぐらいのメンテ費で済む。1年持ってくれたら年1回の清掃の習慣化って感じでより具合が良いのだが。キートップ引き抜き工具も、清掃目的の投資だったんだけど、キーボード延命&静音化にも役立つとなると素晴らしい工具。
初期投資込みの+2,000円ぐらいで5年延命(20年選手)になってくれると嬉しいなあ。
その後
2022/03/31追記 2021年11月の施工後、1ヶ月程度で静音化効果は薄まり、2ヶ月程度で完全に無くなった。ただ、今の所打鍵時に引っかかる感じは無く、スムーズに使えている。
中長期の静音化は抜本的に手を加えるしかないかな。吸音用にマットを敷くだけでも全然違うし、リングとかも試してみたいところ。