2023年8月30日に独立リーグ「ベイサイドリーグ」に所属する「千葉スカイセイラーズ」(千葉県民球団)から、運営体制に関する記者会見があった。
千葉スカイセイラーズ2024シーズン運営体制について - YouTube
以下はその要約(文字起こしに近いが)
代表取締役 杉山慎より
- 福井の球団(福井県民球団)・独立リーグの経営に携わり、昨年からは(千葉スカイセイラーズ運営会社の)千葉県民球団の経営に携わっている
- (福井からの撤退と移転について)昨年、福井県民とファンの皆様にしっかりと謝罪ができておらず申し訳無かった
- この1ヶ月心身を病み、重度のうつ病と睡眠障害を患っている。9月末まで療養しなければならない状態だが、ファンに対してしっかり説明したいと思い、GMが代理説明する形で会見を開いた。
GM 小野真路より
- 今回の会見は後ろ向きのものではない
- 発展し存続するために尽力する、その決意表明のための会見
NOLエンターテイメント(以下、NOL)取締役の皆様には了承を得ているがSNSで憶測を読んでいる部分があり、しっかりと説明したいと思い会見を開いた
まずは経緯から。NOL黒田翔一氏より昨年日本海オセアンリーグ設立後に福井球団の運営をやらないかと誘われた形で来ている。BCリーグを抜けた詳細については杉山も(千葉から参加した)小野も今に至るまで把握していない。
- 日本海オセアンリーグからの分配金という形で数千万単位の金銭面の援助も表明されていた。
- 補助は徐々に減り、球団負担の比率が増えていった。昨年のシーズン終了後に、黒田氏から翌シーズン後に分配金は無しと通告された。杉山としては支援無しではシーズンが乗りきれないと判断して各球団と黒田氏に相談。選手を守る気持ちで、千葉であればなんとかいけるのではないか、ということで話をして、(移転の)了承を頂いた。
- 所属する選手や引退した選手のことを考えるとすべて公表するのは得策ではないと判断し話を控えていた。
- 福井県庁やメインスポンサーにはしっかり足を運んで説明はしている。
結果的に裏切るような形になってしまった点は後悔しており、今も悩んでいるというのが現状。
小野は千葉からの参画。スポンサー、ファン、自治体からは暖かく迎えて頂いている。
- 認知も上がってきており1000人近く動員したケースも出てきた。行政との提携やスポンサーの新規獲得も進んでいる。
- 一方で、ベイサイドリーグは4球団でやっていくという話だったが、消滅。その説明もリーグからは未だに無い。
- リーグには皆で協力してやっていきたいので、議論する場を設けてほしいと要請してきたが、そのような場は設けられないままとなっている。
- リーグには我々の意志は届かないという不信感が募っていった。
開幕前から違和感があったが、やるしかない、と今までやってきた。
7/14に黒田氏から連絡があり、千葉球団の幹部も交えて会話したところ、NOLは今シーズンをもって廃業、ベイサイドリーグと(YKSホワイトキングス運営会社の)神奈川県民球団は廃止と通告を受けた。
- これから認知を高めてどう盛り上げようかと思っていたところなので頭は真っ白になった。
- リーグと神奈川球団は別会社が運営と聞いていたが、NOLのファイナンス担当の取締役から、(リーグと神奈川球団で)スポンサー費用を共有しているという話が出た。費用の振り分け方についても(ファイナンス担当にも関わらず)把握していない、ということであった。
- 今シーズンはリーグからは分配金も無いし、入場料の30%をリーグに納めている。招待試合であっても30%に相当する金額を納めている。
リーグとして運営に費用がかかるという点は理解している。
リーグの存続か金銭の補助を要望したが、どちらも同意は得られなかった。
- NOLの代理人の立場の人間は度々足を運んでくれたが、協議をしても黒田氏に決定権があるの一点張りで協議にならなかった。
- 7月はチームの組織編成の時期でもあり、また、先行きが見えない中では不適当としてスポンサー獲得の営業活動も自粛せざるを得なくなった。
- 期間がない中だったので細かく期日を分けた形で個々の回答を求めたが、一度も期日は守られなかった。話し合いの途中で退席されることも多々あった。
- 杉山も心身衰弱状態に陥ってしまった。
始めたばかりのリーグをやめてしまうのは全くもって理解できない。
先週の8/23になってリーグ・神奈川球団の継続にむけた運営候補会社(承継候補企業)が示された。
- 二の舞いを避けたいので歩調を合わせるべく、候補会社との面談を申し入れたが、黒田氏からは、千葉球団には候補会社との面談の権利は一切ないとの回答だった。
- 8/末までのリーグの加盟申請を求められたが、候補会社との面談も叶わない中で判断はできず、また、女性球団職員を球場の個室に連れ込み、リーグの加盟申請をしろと言い詰める場面もあった。
こういった判断はオンラインや紙の申請のみで下せないと思っている。
今後については詳細はまだ言えないが、活動を継続するために調整中。
- 9/中には発表に向けて調整している。
- 選手を守りたい、ファンを楽しませたい、子どもたちの笑顔を増やしたい、千葉県の皆さんと一緒に盛り上がれるツールになりたい、スポンサーや自治体に活躍する選手や子どもたちの笑顔を見せたい、それだけで活動している。まだやらせていただきたいと思っている。
- 引き続き千葉スカイセイラーズを応援してもらいたい。
以下、質疑応答(回答はすべてGM小野より)
朝日新聞 本田
- ベイサイドリーグは7/23の段階では来季はやらないと通告されたのか?
→YES
- 神奈川球団についてはその後運営会社が決まりそうだと連絡があったのか
→YES。8月上旬に連絡があった。ベイサイドリーグの運営を千葉県民球団でやらないかという話もあった。
- リーグそのものについてどうなるかは正式に通告されていないということか
→YES
- ホームページ等では来季リーグ開催すると発表されているが
→一週間前に8/23に運営会社が決まったと聞いた。契約書も見せてもらったが、本当に確定に至っているのか?というような内容と捉えている。
→7/14の会談では黒田氏欠席のなか、代理人のNOL取締役に早くファンに対してアナウンスすべきだと意見していたが、それはやめてくれと口止めされていた。8/23頃の打ち合わせで、NOL取締役には我々からNOL都合でリーグを廃止すると通告があったことと、候補者との面談も叶わず理解が出来ないことを公表すると通告した。同席を要請したが、明確な回答は得られず、また会見を止める権限もないとの回答を得、会見についての了承を得たと判断した。
- 今日の会見は、後継運営者によるリーグ運営が継続したとしても参加しないという意図でよいか
→ベイサイドリーグには参加する可能性はゼロではない。ただし、明日が申込期限になっている。面談が至急で開催されて納得できるのなら合意する可能性はある。
→福井球団の際に良かれと思って説明出来ていなかったことは我々として落ち度だと思っており、(その反省から)しっかりとこのタイミングで来季に向けて考えていることを姿勢を見せることが重要と考えて会見を開いた。
- 別の独立リーグへの参戦を考えているということか
→YES
- 今シーズンの現在スポンサーは何社か
→30数社
東京新聞オオバ
- 他のリーグの人とは接触してるのか
→YES。シーズン中も他のリーグの人とはやりとりはある。
- 他のリーグは加入期限はあるのか
→設けているのが一般的。このような状況なので特例的な対応を相談している。
- チーム名や本拠地が変わる可能性はあるか
→チーム名はスポンサーの意向次第。本拠地は船橋と四街道を使っており、ここを軸足として千葉県の中で自治体と提携していくつもり。
読売新聞 宍戸
- NOLは存続するがリーグ運営から手を引くという話でよいか
→会社も廃止する意向とは聞いていた。
- 廃止の理由は聞いているか
→経営面の理由とは聞いている。
- 今シーズンは継続するという話だったのか
→YES。我々としてもやり切るつもり。
- ベイサイドリーグは神奈川1チームでは成り立たないのでは
→仰るとおりだと思う。申込書には2球団いなければ2024シーズンは開催しないと記載されている。リーグ運営者としてはリスクヘッジはされていたのだと思っている。
- 来季はどのリーグを考えているか
→相手方に迷惑をかけてしまいかねないので現段階では回答できない。9/中頃には最終決定するのでそこでご案内できるはず。
- 新リーグを作るわけではないのか
→既存独立リーグに参加する方向性のほうが強い
チバテレビ中村
- 候補会社は神奈川球団とリーグの両方を運営するのか
→別会社と聞いている
- 候補会社は今までの体制と関係がないところなのか
→深い素性まで我々も伺えていない。自分たちで独自に登記簿を調べたが、それ以上の詳細はわかっていない。
- 面談を断ったのはNOLか
→YES
- 黒田氏は来季も関わるのか
→本人からは手を引くと聞いているが、候補会社の詳細がわからないのでなんとも言えない
NHK 金子
- 記者会見を開くタイミングは全てが決まってからのほうがチームイメージとして良かったんじゃないか?黒田氏と関係が上手く行ってないことを公表した点も疑問
→決まってから公表するほうがイメージが良いのは事実。ただし、8/30に期限を設けられて決めきれない状況だった
→7/14に一方的に話があった時点で来季どこにも所属できない最悪ケースも想定されて、一刻も早く現状を説明しなければならないと考えていた。準備は先行してやっていた形になる。何で今まで黙っていたんだ、と言われてしまうことは我々の倫理観としてNGと考えた。ファンに現状を伝えていくことが我々の責任だと思っている。記者会見ではなく簡単な形でも良かったのかもしれないが、今回は記者会見という形をとった。
朝日新聞 本田
- 明日の申込みは断念したのか。厳しいという状況なのか。
→諦めている訳では無い。面談をしたいという希望はある。
- リーグから分配金はあったのか。
→今シーズンは無い。
- リーグに一方的に上納金を収めるだけの構図になっていた?
→上納金という言い方は相応しくない。リーグ運営には費用がかかるのは理解しており納得して支払っていた。ただ、リーグにもスポンサーが付いている訳で、細かい数値は無くても目処感は示してもらいたいとは思っていた。
- 運営会社の収支決算は全く教えられていない?
→YES。我々とのやり取りの金額だけでも構わないので会計帳簿を提示して欲しいと要請したがNGだった。
?
- 申込期限を延ばす可能性もあると思うが
→面談不可と言われている以上は実現しないのではないかと思っている
代表取締役 杉山慎より
まだ不確定の部分が多い。7/14からNOLに今の現状の(ベイサイドリーグ運営の)レベルを下げないで欲しいと言う要望は伝えている。選手やスポンサーも知る権利がある。私自身が伝えられないまま、選手たちの将来が一日一日潰れていってしまっていることに対して不甲斐なく思っている。
福井から千葉に来て、また同じことは出来ない。面談をNGと言われているが、そんなことは受け入れられないし、しっかりと会話していきたい。今までお世話になった富山の石川氏や独立リーグの関係者に相談しながら進めている。
独立リーグは無くしてはいけないし、千葉スカイセイラーズは無くしてはいけない。福井のボランティアの方が「頑張ってる姿だけでも救いになる」と言われたことが私にとっても救いだった。福井の方々には大変申し訳無い気持ちでいっぱい。千葉では5年10年と続けたい思い。現状を伝えられない気持ちが辛い。選手たちにどう顔を合わせていいか分からない。
だが、これを打開して進んでいく。皆さんには迷惑をかけるが、ご声援をお願いしたい。全力で選手のためにシーズンを乗り切る。今後が決まったらまた説明する。本日はありがとうございました。