録画ファイルがHDDを圧迫するようになり、日々退避や削除に追われている。専用に4TBの外付けHDDを導入して余裕ぶっていたのに2年で満杯か・・・
仮想通貨のマイニング影響でHDDの高値水準が続いているので(ここ数日になってようやく8TBが13,000円台に戻ってきたようだが)、録画ファイルのためだけにHDD増設は(お財布的に)キツイな、というのとこのまま無尽蔵に増やしてもしゃーないな、と思い、録画ファイルの整理に着手する。
tsファイルは画質・字幕共に完全で、かつ、再生ソフトのTVtestが完成されてる。動画エンコードも時間がかかるし、画質の追求まで至ってなかったのでお手軽じゃないし、無理にエンコしても・・・と数年前まで動画エンコードは選択肢から外していた。
が、いつの間にか、Amatsukazeというtsファイル専用のお手軽&高品質エンコーダーが登場していたことを知る。TVtestやEDCBもそうだけど、凄いソフトを開発する人間がいるもんだ・・・。
GitHub - nekopanda/Amatsukaze: Automated MPEG2-TS Transcoder
Amatsukazeの価値
突っ込んだだけで高品質エンコードが出来る(しかも自分の場合はQSVを使える環境にあるのでエンコードも早い)という点に尽きるのだが、それ以上の付加価値も凄い。
TV放送の価値は字幕ファイルだと思ってるんだが、ASSファイルとして字幕が出力できるのは大いに価値がある。(どうやらASSファイル消しても字幕が出せるので、字幕のコンテナ格納までやってくれている?)
そして局ロゴの自動削除。なにこれ、すごい。いくつか試してみたが、本当にロゴがあったのか?って思うぐらい違和感なく消されている。
更に驚愕するのが自動CMカット&チャプター打ち。局ロゴの有無がカットの目安になっているらしい。
自動CMカットの評価
この自動CMカット。先日「CMが多すぎる」と話題になった「鬼滅の刃の無限列車編」地上波放送で試してみたところ、映画マスカレード・ホテルの番宣CMとドリフの番宣CMは残っていたものの、それ以外は綺麗にカットされていた。(前者の2つは元tsファイルを確認したところ局ロゴ付きだったのでカットされなかったと思われる。)
特に批判の強かった煉獄さんパワプロCMも無し。更には提供カットは削除されず残ったまま。結果的に挿入されてたCMは全編通じて感覚5~6本ぐらいかな?これくらいなら全く問題なし。
自動カットは結局局ロゴ次第っぽいので、若干の不安は残る。貴重な録画ファイルとかではチャプター打ちだけに留めておいた方が良さそうだが、そもそもその手の代物はtsファイルのまま残しておいたほうが良いんじゃないかという気も。 あと「あのパワプロCM最悪だったよな」みたいなネタが出てきた時にCMカットしちゃってると発掘できなくなるので、その辺は注意が必要。
そうは言っても、元tsファイルで2時間40分7秒だったファイルが2時間7分29秒と大幅にスリム化(30分番組一本分の節約)される点は見逃せない。「まあ、残してあるけど実際そんな見ないからな・・・」みたいな割り切ることができれば効果絶大、って感じ。
ここまで来ると円盤を買う意味も問われそうだが、まあアレはお布施だし、HDDレコーダー黎明期から今の配信主流の時代においては、コレクターグッズ&特典目当てで買うものとなっているので、そこまで干渉しないかな、と思う。 実際Blu-rayは(技術面はさておき法的に)仮想化できないし、出来たとしてもHDD容量バカ食いだし。円盤引っ張り出すのが面倒で、持っててもよっぽどのことがない限りはTV放映録画のファイルをついつい見てしまうのよね。
ファイルサイズの評価
とりあえず雑多なものでエンコードしてみた結果。設定はエンコーダはQSV、インターレース解除、字幕出力指定ぐらい。
画質は殆ど劣化を感じなかった(個人の感想です)。
鬼滅の刃 無限列車編
15.5GB→2.38GB(15.4%)
某作品30分振り返り特番
2.05GB→0.40GB(19.5%)
某作品ライブ(1時間、3時間×2)
6.84GB→2.87GB(42.0%)
22.0GB→6.28GB(28.5%)
25.1GB→8.65GB(34.5%)
某アニメ一挙放送(13話×2)
40.3GB→4.08GB(10.1%)
40.1GB→4.30GB(10.7%)
13.7GB→2.89GB(21.1%)
旧エヴァセレクト放送(4話×3)
11.2GB→2.00GB(17.9%)
11.1GB→2.01GB(18.1%)
10.6GB→1.79GB(16.9%)
エヴァ新劇場版(序破Q)地上波放送
8.13GB→1.14GB(14.0%)
8.92GB→1.34GB(15.0%)
8.34GB→1.29GB(15.5%)
OK牧場の決斗(吹き替え別5種)
12.0GB→2.50GB(20.8%)
9.49GB→2.19GB(23.1%)
8.75GB→1.94GB(22.2%)
11.0GB→2.50GB(22.7%)
11.9GB→2.99GB(25.1%)
某アニメシリーズ(これは13話分の合計)
25.3GB→3.01GB(11.9%)
OK牧場の決斗の吹き替え5種放送って今見ても狂ってるな・・・この手のモノは見るのか見ないのかわからないけど保存しておきたくなる。
傾向から、地上波放送だとCMの比率が多く圧縮率が高くでるし、BS/CSでのライブとか映画だと逆にCMの比率が少ないので、圧縮率が低く出る様子。スポーツ中継とかはまだ試してないけど、圧縮率は低く出そうな気はする。それでも3割とかに圧縮できると大きいが。
今回試したファイルだと、合計で302.3GBから56.6GBと、245.8GBの削減。こりゃデカイ。当座はしのげそう。圧縮率は平均18.7%。
8割減らせるとみたら、現状の4TB満杯状態だと0.8TBまで圧縮できることになる。ほぼ空じゃん。
まぁ、実際はtsファイルで残したいのもあるし、エンコするまでもなく見たら消す系の録画もあったりする(しかもその手に限って溜まっている)ので、そんなに上手くいく話でもないが。
コールドスタンバイで完全保管庫状態になってるHDDの中とかはこれでガッツリ整理できそう。
字幕で問題発生
放送字幕、特に記号は放送者が自由に作れるそうで、わからない記号が時折出る。特にエヴァ新劇場版はこだわりが強いのか訳のわからないものが頻出してきた。
その度にDRCS外字のマッピングをすることになるのだが、この記号が何なのかよく分からないってのが多くて困る。無線機なのか?携帯電話なのか?小さくてよくわからんし本編見るのもかったるいし。 まあASSファイルはテキストなんで最終的に間違ってらテキストエディタで置換してしまえばよいんじゃないかと思うんだが。mp4にコンテナ格納された字幕は修正しようがないな。まあその辺は妥協するしか無い。
それ以上に問題だったのが、ASS字幕の表示が崩れること。長らくMPC-HomeCinema(MPC-HC、clsid版)を愛用していたのだが、文字が被ったり、はみ出したり。それから表示されない(□で置き換えられちゃう)記号があったり。MPC側の字幕フォント設定をいくら弄っても変わらないし。
で、VLCを入れたりだとかMPC-BEに乗り換えたりだとか試行錯誤した結果、わかったことが2つ。
①ASSファイル自体に「游ゴシック」が指定されている
→Amatsukazeの仕様らしく、フォント変更しようにもどうしようもないらしい。更に調べてみたら、自分のPCに游ゴシックが入っていなかったことに気付いたので、Microsoft公式からDL。
Download 游ゴシック 游明朝フォントパック from Official Microsoft Download Center
②MPC-BEだと表示が比較的崩れない
改めて調べたら公式(GitHubの配布ページ)にMPC-BEに最適化している旨が書いてあった。再生ソフトによって表示が崩れるのはもう、しゃーない領域らしい。
ということでフォントを入れてMPC-BEに乗り換えて、一旦の解決とした。ビミョーに崩れてる部分もありそうが、実用には耐えられる感じ。任意のフォントやサイズに変えられないのは辛いが、しゃーない。 結果だけ見ると、全角スペースとかが無視された結果、崩れてたような部分もあったんで、そのへんはフォントを入れた結果なのかなとも思う。
ちなみにVLCに少し期待していたのだが、キャプチャのアスペクト比が表示通りに出力されないし、画面クリックでの一時停止が出来ないし、思ったより自分の使い方には合わないんだな、と思った次第。
ロゴ消しミス
ついでに、字幕絡みで色々調べてた時に、ロゴ消しに失敗していたケースがあった。
右上の「の道」。なんだこれは。首領への道か? ※字幕表示の崩れっぷりは対策前のもの。
もう一度ロゴ解析してエンコし直したらキレイになった。すなわち出来上がったファイルは一応ザッピング気味にチェックしないとこういうのが出てくるんだなあ、ということ。そりゃそうなんだけどね。まあCMカットも含めて不安ならtsファイルのまま保管しろって話なんで、全てにおいて割り切りと妥協の世界。そもそも2回目を見ないまま肥やしになってる代物も有るわけなんで。
ちなみに修正した後の奴。